中小企業診断士の実務補習とは?2026年の日程・費用改定・申込の流れ

中小企業診断士 実務補習の日程と費用 試験対策

2次試験に受かったあとの「実務補習」って、いつ・どこで・いくらかかるの?仕事を休まないといけないなら、早めに段取りしておきたい…。

こんなギモンに答えます。実務補習は、2次試験合格者が中小企業診断士として登録するために受ける実地研修です。2026年7月実施分から受講料が改定され、日程の組み方も以前とは変わっているので、最新の情報で整理します。

さきに結論から言いますと、

この記事の結論

●実務補習は、連合会が実施する実際の中小企業を診断する実地研修。登録には「実務補習+実務従事」で15日以上が必要

●受講料は2026年7月から8日間コース128,000円・15日間コース240,000円(税込)に改定

●いまの主流は8日間コースを2回受ける形。15日間コースは2月実施分のみで、開催されない地区もある

●年3回の受付(5月・7月・1月)を逃すと半年待ち。2次合格の有効期間3年の中で計画を立てる

この記事の日程・費用・定員は、すべて日本中小企業診断士協会連合会の実務補習ページ(令和8年度の日程・受講案内)をもとにしています。受講申込にあたっては、必ず連合会が公開する「中小企業診断士実務補習のご案内」(PDF)を確認してください。

実務補習とは何か

中小企業診断士として登録するには、2次試験合格後3年以内に「実務補習を受講した日数」または「実務に従事した日数」の合計が15日以上必要です。この実務補習を、国の登録実務補習機関として「中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則」にもとづいて実施しているのが、日本中小企業診断士協会連合会です。

内容は座学ではありません。指導員(連合会の公認インストラクター)のもとで受講者がグループを組み、実際の中小企業を訪問して経営者にヒアリングし、分析と改善提案をまとめて報告書を作り、経営者に報告する。つまり診断士の仕事そのものを、指導つきで一通り経験する研修です。

連合会の案内によると、実務補習の実施4〜5日前には担当指導員からメールで企業概要の提示や事前準備作業の指示があり、ファイルが添付されることもあります。このため、添付ファイルを受信できるメールアドレスの登録が必要で、勤務先のメールアドレスと携帯電話のメールアドレスは使えません

受講料:2026年7月実施分から改定

連合会は「会場費等のコスト高騰に伴い」、令和8年7月・8月・9月実施分から受講料を改定しました。

コース改定後の受講料(税込)1日あたり
8日間コース128,000円16,000円(改定前14,000円)
15日間コース240,000円16,000円(改定前14,000円)

登録に必要な15日以上を実務補習だけで満たす場合、8日間コースなら2回受講で合計256,000円、15日間コースなら1回で240,000円です。ただし後述のとおり、15日間コースは開催が限られています。受験から登録までの費用の全体像は中小企業診断士の費用は総額いくら?にまとめています。

コースの仕組み:8日間コースを2回が主流

連合会は令和6年度から実務補習の日程の設定を変更し、現在は8日間コースが基本になっています。8日間コースは、木曜から日曜までの4日間と、その翌週の4日間という組み合わせで実施されます。

登録に必要な15日以上を満たすには、連合会の案内にあるとおり「8日間コースの場合は2回受講」が必要です(過去に5日間コースを受講済みの人は、合計が15日以上になればOK)。15日間コースは2月実施分にだけ設定されていますが、2027年2月は札幌・仙台・東京では開催見送りで、連合会は「15ポイント取得を希望する方は8日間コースを2回受講してください」と案内しています。

「実務補習=2月に15日間」というのは少し前の常識です。いまは「8日間×2回」で、夏と冬に分けて受ける人が多いんですよ

令和8年度(2026年度)の日程と受付期間

連合会が公開している令和8年度の実施スケジュールです。受付期間が短いので注意してください。

実施分受付期間実施地区実施日(8日間コース)
7月コース2026年5月13日〜21日札幌・仙台・東京・千葉・名古屋・大阪・広島・福岡7月9日〜12日、18日〜21日
8月コース同上東京・名古屋・大阪8月20日〜23日、28日〜31日
9月コース同上札幌・仙台・東京・千葉・名古屋・大阪・広島・福岡9月10日〜13日、21日〜24日(名古屋は11日〜13日、20日〜24日)
10月・11月コース2026年7月17日〜31日千葉のみ(各5名程度)10月8日〜12日、17日〜19日/11月12日〜15日、21日〜24日
2027年2月・3月コース2027年1月6日〜18日各地区(15日間コースは千葉・名古屋・大阪など一部のみ)東京8日間:2月11日〜14日、19日〜22日/3月4日〜7日、12日〜15日 ほか

定員にも大きな差があります。令和8年夏期実施分の募集定員は、東京が7月75名・8月90名・9月60名なのに対し、札幌・仙台・千葉・広島・福岡などの地方会場は各5名です。申込人数が5名に満たない場合は中止になることがあると明記されているので、地方で受ける人は早めの申込が必須です。

夏期分がいっぱいだった人のために、キャンセル待ちの案内も出ています。連合会のサイトで「令和8年夏期実施実務補習キャンセル待ちについて」を確認してください。

受講資格と申込方法

受講できるのは、直近3年度(令和8年夏期分なら令和5・6・7年度)のいずれかの2次試験に合格し、まだ登録を受けていない人です。2次試験合格の有効期間は3年間なので、この間に15日分を確保する必要があります。登録申請中の人や、実務補習までに登録申請する予定の人は対象外です。

申込はインターネットで行い、初めて受講する人は申込フォームがオープンしている期間にユーザー登録をします。ユーザー登録をすると「受講者Myページ」が使え、受講状況の確認や住所変更、協会のイベント案内の受け取りができます。登録が完了して診断士になるとこのサービスは終了し、協会に入会した人は「会員Myページ」に切り替わります。

申込前にやっておくこと

●連合会に実務補習案内の送付先(メールアドレスまたは住所)を届け出る。届け出た人には4月下旬〜5月上旬に夏期分の案内がメールで届く

●添付ファイルを受け取れる個人のメールアドレスを用意する(勤務先・携帯キャリアのアドレスは不可)

●受講日の休暇を確保する。8日間コースは平日を含む(木・金)ので、有給休暇が最低4日必要

●受講料(8日間128,000円)を用意する。2回受講なら合計256,000円

なお、登録休止中の診断士が登録再開のために実務補習を受けたい場合は、2次合格者向けの受付期間が終わったあとに定員に空きがある場合のみ申し込めます。

実務補習を「登録のための義務」で終わらせない

実務補習は登録要件ですが、それ以上の価値があります。連合会の活動状況アンケートによると、独立診断士が仕事を受けるきっかけは「支援機関からの紹介」「県協会からの紹介」「他の診断士からの紹介」など、人のつながりが大半です。実務補習の班は、その最初のネットワークになります。

また、指導員は現役の診断士です。独立の実情、公的業務の単価、専門家登録の方法など、教科書に書いていないことを直接聞ける数少ない機会でもあります。実務補習中に聞いておきたいことは、中小企業診断士の仕事内容独立診断士の仕事の取り方を読んで、あらかじめ整理しておくといいですよ。

実務補習で受けた指導は、登録後の更新要件(5年で実務30日)にもそのまま数えられます。1回目の実務補習の日数は、登録後のポイントとしても無駄になりませんよ

実務補習を受けない選択肢:実務従事と養成課程

実務補習を使わずに登録する方法も2つあります。

方法内容向いている人
実務従事中小企業者への診断助言業務や窓口相談業務に従事し、企業や機関に実績証明書を書いてもらう。実務補習と合算も可勤務先や知人に診断業務を依頼してくれる中小企業がある人、県協会の診断実務従事事業に参加できる人
養成課程1次試験合格後に中小企業大学校や登録養成機関の課程を修了する。2次試験も実務補習も不要2次試験を受けずに確実に登録したい人、費用(138万〜312万円)を払える人

実務従事は費用がかからない一方、証明書を書いてくれる企業を自分で確保する必要があります。養成課程については養成課程とは?養成課程の卒業後の進路で解説しています。

よくある質問

実務補習は必ず受けなければいけませんか?

必須ではありません。登録に必要なのは「実務補習の受講日数と実務従事の日数の合計が15日以上」なので、実務従事だけで15日を満たすこともできます。ただし多くの合格者は、企業を確保する手間と人脈づくりを考えて実務補習を選んでいます。

実務補習の費用はいくらですか?

2026年7月実施分から、8日間コースが128,000円、15日間コースが240,000円(いずれも税込・1日16,000円)です。登録に必要な15日以上を実務補習だけで満たすなら、8日間コース2回で256,000円が目安です。

実務補習はいつ実施されますか?

令和8年度は7月・8月・9月(受付5月13日〜21日)、10月・11月の千葉地区(受付7月17日〜31日)、2027年2月・3月(受付2027年1月6日〜18日)に実施されます。受付期間は1〜2週間程度と短いので、連合会からの案内メールを受け取れるよう送付先を届け出ておきましょう。

働きながら実務補習を受けられますか?

受けられます。8日間コースは木曜〜日曜の4日間を2週にわたって行う形なので、平日分の有給休暇が4日程度必要です。夏期と冬期に分けて2回受講する人が多くいます。

実務補習の定員はどれくらいですか?

令和8年夏期実施分では、東京が7月75名・8月90名・9月60名、札幌・仙台・千葉・広島・福岡などの地方会場は各5名程度です。申込が5名に満たない場合は中止になることがあります。

まとめ 中小企業診断士の実務補習

実務補習は、2次試験合格者が指導員のもとで実際の中小企業を診断する実地研修で、登録には実務従事と合わせて15日以上が必要です。2026年7月から受講料は8日間コース128,000円・15日間コース240,000円に改定され、いまは8日間コースを2回受けるのが主流。受付は年3回(5月・7月・1月)で期間が短いため、2次合格の有効期間3年の中で早めに計画を立てましょう。

費用と休暇の負担は小さくありませんが、実務補習の班と指導員は、登録後の仕事につながる最初のネットワークです。「登録のための義務」ではなく「診断士としての最初の仕事」として臨むのがおすすめです。

以上、いろなしでした!