中小企業診断士の養成課程の費用一覧と教育訓練給付【機関別・2026年】

中小企業診断士 養成課程の費用一覧と教育訓練給付 養成課程

養成課程って結局いくらかかるの?200万とも300万とも聞くけど、機関で何が違うの?給付金で安くなるって本当?

こんなギモンに答えます。養成課程の費用は機関によって約135万円から約312万円まで幅があり、しかも「学費」に実習費が含まれるかどうか、教育訓練給付の対象かどうかで、実際の負担額がかなり変わります。この記事では、各機関の公式ページで確認できた金額だけを使って整理しました。

さきに結論から言いますと、

この記事の結論

●公式で確認できた学費は、兵庫県立大学 約135万円(2年)/中小企業大学校 約234万円(6か月)/日本工業大学 250万円(1年)/法政大学 約292万〜312万円(1〜2年)

●教育訓練給付には「一般」(受講料の20%・上限10万円)と「専門実践」(最大で受講料の80%・年間上限64万円)の2種類があり、どちらの指定を受けているかで戻る金額が数十万円単位で変わる

●学費のほかに、入学検定料(3万〜3.5万円)、実習の交通費、教材費、通学の交通費がかかる

●「安い機関」を選ぶより、給付の対象か・働きながら通えるか・修了後に何が残るかで選ぶほうが結果的に損をしない

わたし自身は1次試験合格後に法政大学の養成課程を受験した立場で、修了生ではありません。金額はすべて各機関の公式ページ(2026年10月時点)と中小企業庁の養成機関・登録養成機関一覧(PDF)をもとにしています。学費は年度で改定されるので、出願前に必ず募集要項で確認してください。

養成課程の費用の全体像:学費だけでは終わらない

養成課程にかかるお金は、大きく4つに分かれます。

費目内容目安
入学検定料(受験料)出願時に支払う。不合格でも返還されない3万〜3.5万円(法政35,000円、日本工業大学3万円)
学費(受講料)入学金・授業料・教育充実費・実習費など。機関によって内訳の呼び方が違う約135万〜312万円
実習にかかる実費企業診断実習先への交通費、報告書の印刷費など。学費に含まれないことが多い数万円〜(実習先の場所による)
通学費・教材費・宿泊費通学定期、書籍、全日制なら寮費など機関・住まいによる

各機関のサイトで大きく表示されている「学費」は、多くの場合、入学金と授業料の合計です。実習費が別建てになっている機関では、その分を足して比べる必要があります。日本工業大学は「授業料140万円+実習科目受講料80万円」と分けて表示していて、法政大学も「経営診断実習料」を別項目にしています。

主な機関の学費一覧【公式ページで確認できた金額】

2026年10月時点で、各機関の公式ページに金額が明記されていたものを一覧にしました。金額が公式サイトに載っていない機関は、募集要項の請求が必要なので「要確認」としています。

機関期間・形態学費(公式表記)教育訓練給付
中小企業大学校 東京校6か月・全日制約234万円(2025年度実績)一般教育訓練給付(第45期から)。20%・上限10万円
法政大学大学院(イノベーション・マネジメント研究科)1年制または2年制・MBA同時取得1年制 2,924,000円(入学金27万+授業料231.4万+教育充実費34万)/1年制MBA特別プログラム 3,124,000円(経営診断実習料20万を含む)/2年制 1年次1,697,000円+2年次1,427,000円=3,124,000円。※2025年度入学生の学費。自校の学部卒・大学院修了者は入学金・教育充実費が半額公式ページに「厚生労働省教育訓練給付金」の案内あり(対象プログラム・給付区分は要確認)
日本工業大学大学院(技術経営研究科)1年・技術経営修士(専門職)同時取得250万円(入学金30万+授業料140万+実習科目受講料80万)。※大学院の学費納付金としては170万円で、中小企業診断コースはこれに実習科目受講料80万円が加わる。日本工業大学卒業生は入学金半額免除専門実践教育訓練給付の講座指定あり(公式表記)
兵庫県立大学大学院(社会科学研究科 経営専門職専攻)2年入学料282,000円+授業料535,800円/年(前年度実績)=2年で約1,353,600円。※養成課程の実習にかかる費用が別途あるかは要確認要確認
関西学院大学 経営戦略研究科2年公式サイトの学費ページで要確認「教育訓練給付制度により2年間で最大約110万円給付」と案内(専門実践教育訓練給付の指定とみられる)
日本マンパワー/中部産業連盟/日本生産性本部/千葉商科大学/城西国際大学/大阪経済大学/福岡県中小企業診断士協会/札幌商工会議所/ハリウッド大学院大学/東洋大学各機関による公式サイトのトップに金額の記載がなく、募集要項で要確認要確認

最も安いのは兵庫県立大学で、公立大学院なので授業料が国公立水準です。ただし2年制で、養成課程の実習費が別にかかる可能性があるので、募集要項で総額を確認してください。最も高いのは法政大学の1年制MBA特別プログラムと2年制で、いずれも約312万円。6か月で修了する中小企業大学校は約234万円で、期間の短さを考えると1か月あたりの負担は最も大きい機関です。

金額を公式サイトに出していない機関は「安い」とも「高い」とも言えません。比較するときは、必ず募集要項を取り寄せて、同じ費目で並べてください

教育訓練給付は「一般」と「専門実践」で戻る額が大きく違う

養成課程の費用を下げる一番の手段が、雇用保険の教育訓練給付制度です。制度には種類があり、機関がどの指定を受けているかで給付額がまったく違います。

一般教育訓練給付専門実践教育訓練給付
給付率受講費用の20%受講費用の50%(修了後、資格取得等で就職すると追加20%、さらに賃金上昇で追加10%。最大80%)
上限10万円年間40万円(追加給付を含めると年間上限64万円)
主な対象者雇用保険の被保険者期間が3年以上(初めて利用する場合は1年以上)雇用保険の被保険者期間が3年以上(初めて利用する場合は2年以上)
養成課程での指定例中小企業大学校(第45期から)日本工業大学大学院(公式表記)、関西学院大学(最大約110万円給付と案内)

たとえば中小企業大学校の約234万円は一般教育訓練給付なので、戻るのは上限の10万円です。一方、日本工業大学の250万円が専門実践教育訓練給付の対象なら、条件を満たせば1年で最大64万円が戻る計算になり、実質負担は中小企業大学校より小さくなる可能性があります。「表示額が安い機関」と「実質負担が安い機関」は一致しないことがある、というのがこの制度の重要なところです。

給付率・上限・受給要件は厚生労働省の制度で、年度によって見直されます。各機関が「指定講座」であるかどうかと合わせて、厚生労働省の教育訓練給付制度のページと、住所地のハローワークで必ず確認してください。受給には受講開始前の手続き(専門実践はキャリアコンサルティングと受給資格確認)が必要で、入学してからでは間に合わないものがあります。

専門実践教育訓練給付は、受講開始の1か月前までにハローワークでの手続きが必要です。「合格してから考える」では給付を取り逃がすので、出願と同時に手続きの確認を始めてください

学費以外に使える支援:奨学金・分納・勤務先の制度

費用負担を下げる手段

●大学院の奨学金:法政大学は返還不要の研究科奨学金(年額20万・30万円を予定、若干名)と日本学生支援機構の貸与奨学金(第一種は月5万・8.8万円)を案内している。大学院型の機関は同様の制度を持つことが多い

●分納:法政大学は入学手続時に半期分、残りを9月に納入する方式。一括で用意できなくても出願できる

●自校卒業生の減免:法政大学は入学金・教育充実費が半額、日本工業大学は入学金半額免除

●勤務先の派遣・補助:中小企業大学校には支援機関・金融機関からの「機関派遣」の区分がある。会社の自己啓発補助が使えるケースもあるので、人事に確認を

●リ・スキリング等教育訓練支援融資:中小企業大学校の養成課程は、教育訓練費用と訓練期間中の生活費を融資する厚生労働省の制度の対象講座と案内されている

2次試験ルートと比べると、いくら違うのか

養成課程の費用を判断するときの比較対象は、2次試験ルートです。

2次試験ルート養成課程ルート
登録までの費用2次試験受験料15,100円+実務補習(8日間128,000円×2回=256,000円、または15日間240,000円)=約26万〜27万円約135万〜312万円(+検定料・実習実費)
期間2次試験(10月)→合格発表(1月)→実務補習(2〜3月)で最短半年6か月〜2年
不確実性2次試験の合格率は2割前後。不合格なら翌年再受験(1次合格の有効期限は翌年度まで)入試(書類・面接)に通れば、修了で登録要件を満たす
得られるもの診断士登録診断士登録+実習経験+同期の人脈(大学院型はMBA等の学位)

差額は100万円以上です。この差を「時間と確実性と人脈を買う代金」と考えられるかどうかが、養成課程を選ぶ判断の分かれ目になります。2次試験ルートの費用の内訳は中小企業診断士の費用は総額いくら?、実務補習の最新の受講料は実務補習の日程・費用で確認できます。

費用を回収できるのか:卒業後の収入の目安

200万円台の投資を回収できるかは、卒業後の働き方で決まります。中小企業診断協会連合会の活動状況アンケート(令和8年5月公表)では、独立診断士の年間売上は501〜1,500万円のゾーンに半数以上が集まっています。企業内診断士として現職を続ける場合でも、会社勤めの診断士の79.1%は副業が認められており、副業の診断業務で回収していく道があります。卒業後の進路ごとの見通しは養成課程の卒業後の進路にまとめています。

費用で機関を選ぶときの考え方

機関選びのチェックポイント(費用面)

●総額で比べる:学費に実習費が含まれているか。検定料・実習の交通費・教材費を足す

●給付の区分を確認する:一般(上限10万円)か専門実践(年間上限64万円)かで実質負担が数十万円変わる

●働きながら通えるか:全日制(中小企業大学校)は半年間の収入が止まる。夜間・土日型の大学院は収入を維持できる分、総コストは下がる

●修了後に残るもの:MBA等の学位が取れる機関は、転職や社内評価での回収ルートが増える

●分納・奨学金・減免の有無

機関ごとの特徴や入試の中身は養成課程とは?と大学院入試の面接対策で解説しています。

よくある質問

養成課程の費用はいくらですか?

公式ページで確認できた範囲では、兵庫県立大学が約135万円(2年)、中小企業大学校が約234万円(6か月)、日本工業大学が250万円(1年)、法政大学が約292万〜312万円(1〜2年)です。このほかに入学検定料と実習の実費がかかります。

養成課程に教育訓練給付は使えますか?

使える機関があります。中小企業大学校は一般教育訓練給付(20%・上限10万円)、日本工業大学大学院は専門実践教育訓練給付の指定講座と案内しています。給付の区分と受給要件は機関と年度によって異なるので、出願前にハローワークで確認してください。

一番安い養成課程はどこですか?

公式サイトに金額が出ている機関の中では、公立の兵庫県立大学大学院が入学料・授業料の合計で約135万円と最も低い水準です。ただし2年制で、実習費が別途かかる可能性があるため、募集要項で総額を確認する必要があります。

学費は一括で払う必要がありますか?

機関によります。法政大学は入学手続時に半期分を納め、残りを9月に納入する方式です。奨学金や貸与型の支援を用意している大学院もあるので、分納の可否と合わせて募集要項で確認してください。

2次試験ルートより養成課程のほうがどれくらい高いですか?

2次試験ルートは受験料と実務補習で約26万〜27万円、養成課程は約135万〜312万円なので、差は100万円以上です。養成課程には実習経験・人脈・MBA等の学位という上乗せがあるため、その価値をどう見るかで判断が分かれます。

まとめ 養成課程の費用と教育訓練給付

養成課程の学費は、公式で確認できた範囲で約135万円(兵庫県立大学)から約312万円(法政大学)まで。中小企業大学校は約234万円、日本工業大学は250万円です。学費以外に検定料と実習の実費がかかり、教育訓練給付が一般(上限10万円)か専門実践(年間上限64万円)かで実質負担が大きく変わります。

表示額の安さだけで選ばず、総額・給付区分・働きながら通えるか・修了後に残るもの、の4点で比べてください。給付の手続きは受講開始前が条件なので、出願と同時に動くのが鉄則です。

以上、いろなしでした!