
30代で無職になって、貯金が減っていくのが怖いです。生活費はどうすればいいですか?
こんなギモンに答えます。
さきに結論から言いますと、
●離職したら、まずハローワークで雇用保険の基本手当(失業保険)の手続きをする
●もらえる金額は賃金日額の50〜80%で、30代は1日あたり8,270円が上限(令和8年8月1日現在)
●自己都合退職でも、2025年4月1日以降の退職なら給付制限が原則1か月に短縮されている
●国民年金は「失業等による特例免除」、国民健康保険は会社都合退職者向けの「軽減制度」が使える場合がある
失業保険(雇用保険の基本手当)はいくらもらえる?
30代で会社を辞めたとき、最初に確認したいのが雇用保険の基本手当(いわゆる失業保険・失業給付)です。ハローワークインターネットサービスの案内(2026年11月4日確認)によると、金額の決まり方は次のとおりです。
基本手当日額=賃金日額(離職前6か月に毎月決まって支払われた賃金の合計÷180)のおよそ50〜80%(60〜64歳は45〜80%)。賃金が低い人ほど高い率になる仕組みです。この基本手当日額には年齢ごとに上限額が決められていて、令和8年8月1日現在は次のとおりです。
| 年齢 | 基本手当日額の上限(令和8年8月1日現在) |
|---|---|
| 30歳未満 | 7,450円 |
| 30歳以上45歳未満 | 8,270円 |
| 45歳以上60歳未満 | 9,110円 |
| 60歳以上65歳未満 | 7,830円 |

30代は35歳の前後で区分が変わらず、どちらも上限は8,270円です。賃金が高かった人ほど、実際にもらえる率は下がる点に注意してくださいね。
給付日数は年齢・退職理由で変わります
基本手当をもらえる日数(所定給付日数)は、離職の理由と年齢、雇用保険に入っていた期間によって変わります(ハローワークインターネットサービス、2026年11月4日確認)。
自己都合など(1・3以外の離職者)の場合【全年齢共通】
| 被保険者であった期間 | 所定給付日数 |
|---|---|
| 10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
倒産・解雇などの会社都合(特定受給資格者等)の場合【30代の例】
| 被保険者であった期間 | 30歳以上35歳未満 | 35歳以上45歳未満 |
|---|---|---|
| 1年未満 | 90日 | 90日 |
| 1年以上5年未満 | 120日 | 150日 |
| 5年以上10年未満 | 180日 | 180日 |
| 10年以上20年未満 | 210日 | 240日 |
| 20年以上 | 240日 | 270日 |
●倒産・解雇など会社都合(特定受給資格者)や雇い止めなど(特定理由離職者)は、自己都合より手厚い日数になることが多い
●離職票の離職理由に異議がある場合(実際は退職勧奨なのに自己都合にされているなど)は、ハローワークに相談できる
いつから、いつまでもらえる?
申請してから実際にお金が入るまでには、いくつかのタイムラグがあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 待期 | 求職の申込み後、失業の状態にある7日間は支給なし(全員共通) |
| 給付制限(自己都合) | 待期後、退職日が2025年4月1日以降なら原則1か月は支給なし(2025年3月31日以前の退職は原則2か月) |
| 給付制限が3か月になる場合 | 退職日から5年間のうちに2回以上、自己都合で受給資格決定を受けた場合など |
| 受給期間 | 原則、離職した日の翌日から1年間。これを過ぎると所定給付日数が残っていても基本手当は受けられない |

給付制限は、2025年4月1日以降に教育訓練等を受け始めていれば短縮・解除される場合があります。詳しい条件は「30代で無職になったらどうすればいい?」にまとめているので、学び直しを考えている人はあわせて確認してみてください。
給付制限の詳しい短縮・解除条件は「30代で無職になったらどうすればいい?まずやること5つと再起の順番」の表で解説しています。
生活費が足りないときに使える、ほかの制度
失業保険だけでは心配なときのために、年金・保険料の負担を軽くできる制度もあります。どちらも自分で申請しないと適用されません。
国民年金保険料の「失業等による特例免除」
会社を辞めて国民年金に加入した人は、「失業等による特例免除」という区分で保険料の免除・納付猶予を申請できます(日本年金機構、2026年11月4日確認)。免除は全額・4分の3・半額・4分の1の4段階があり、全額免除を受けた期間も、将来の老齢基礎年金は保険料を全額納付した場合の2分の1を受け取れます(未納のままだと受け取れません)。申請できる期間は、納付期限から2年1か月前までさかのぼれます。窓口はお住まいの市区町村役場、または年金事務所です。
国民健康保険料の「非自発的失業者の軽減」
倒産・解雇などで離職した人(雇用保険の特定受給資格者)、雇い止めなどで離職した人(特定理由離職者)は、国民健康保険料の算定で前年の給与所得を30/100として計算する軽減制度があります。対象期間は離職日の翌日が属する月から、その月が属する年度の翌年度末までです(千葉市の案内、2026年11月4日確認)。自己都合退職の人は対象外です。手続きの詳細は自治体ごとに異なるため、お住まいの市区町村の国民健康保険の窓口で確認してください。
●年金・国保の減免は自動では適用されない。自分で窓口に申請する必要がある
●雇用保険受給資格者証(離職票をもとにハローワークで発行される)を持って窓口へ行く
●自治体によって手続きの名称や必要書類が違うことがあるので、電話で確認してから行くとスムーズ
職業訓練を受けながら生活費を支える方法
失業保険だけでは心配なときは、無料の職業訓練(ハロートレーニング)を受けながら要件を満たせば月10万円の給付金が受けられる制度もあります。訓練期間中の生活費がさらに足りない場合に使える「求職者支援資金融資」(単身者は月5万円など)も含めて、「30代無職は職業訓練をどう使う?給付金とコースの選び方」で詳しく解説しています。
生活費の心配をひとつずつ解消できたら、次は「どのスキルで評価してもらうか」を考える段階です。社会人経験を活かせる資格という観点では「中小企業診断士は転職に有利?30代・40代のキャリアに効く理由をデータと実体験で解説」も参考にしてみてください。
よくある質問
失業保険は自己都合で辞めてもすぐもらえますか?
すぐにはもらえません。7日間の待期のあと、自己都合退職の場合は原則1か月の給付制限があります(2025年4月1日以降の退職。2025年3月31日以前の退職は原則2か月)。
失業保険の基本手当はいくらもらえますか?
離職前6か月の賃金日額の50〜80%です(60〜64歳は45〜80%)。年齢ごとに上限があり、30代は1日8,270円が上限です(令和8年8月1日現在)。
国民年金はどうすればいいですか?
失業した場合は「失業等による特例免除」という区分で、国民年金保険料の免除や納付猶予を申請できます。お住まいの市区町村役場か年金事務所で相談してください。
国民健康保険料も安くなりますか?
倒産・解雇などの会社都合で辞めた人は、前年の給与所得を30/100として国民健康保険料を算定する軽減制度があります。自己都合退職の人は対象外です。お住まいの市区町村の国保窓口で確認してください。
失業保険だけで生活費が足りない場合はどうすればいいですか?
ハローワークの職業訓練を受けながら月10万円の給付金が受けられる制度や、訓練中の生活費を借りられる「求職者支援資金融資」があります。「30代無職は職業訓練をどう使う?給付金とコースの選び方」で詳しく解説しています。
まとめ 30代無職の生活費は、失業保険の正しい申請から
30代で無職になったときの生活費は、「いくらもらえるか分からない」という不安がいちばん大きなストレスになります。まずは基本手当の金額と日数、待期・給付制限のスケジュールを把握してハローワークで手続きを済ませ、そのうえで年金・国民健康保険の減免、必要なら職業訓練中の給付金・融資まで確認しておけば、お金の不安を理由に動けなくなる状況は避けられます。制度は知っているかどうかで差がつくので、ハローワークや役所の窓口では遠慮せずに聞いてみてください。
ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」
千葉市「非自発的失業者の保険料を軽減」(国民健康保険の軽減制度の一例)
※2026年11月4日に各サイトを確認しています。国民健康保険の軽減は自治体ごとに運用されるため、上記は一例です。お住まいの市区町村の窓口でも必ず確認してください。
以上、いろなしでした!